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シェイクスピアは電子書籍でも読める!おすすめ名作と解説を紹介!

ウィリアム・シェイクスピア」の名前を聴いたことがない人はいないと思います。世界で一番有名な作家は彼でしょう。

16世紀から17世紀を代表するイギリス(イングランド)の劇作家で、彼が遺した作品は今も数多くの人に読まれています。

私達がシェイクスピアの作品を読むべき理由はたくさんあります。

  • 純粋に物語・文学として読んで面白い名作ばかり
  • 世界中の教養になっていて、セリフや場面がたびたび引き合いに出される
  • 現代の政治や社会を論じた本でも、シェイクスピアの引用は多い
  • 実は短いものが多く、短時間で読破できるコスパの良い古典文学

などなど。

プリーストやトルストイなどの著名な世界文学は、当然ながら読むべき名作なのですが、その圧倒的な分量に、途中で挫折してしまう人がほとんどだと思います。

その点、シェイクスピアはそんな心配が要りません。戯曲形式で書かれているので、意外にも文章量はそれほど多くなく、短期間で読み切ることができます。

それでいて、歴史の風雪に耐えた本質的な物語の精髄が詰まっているので、読んで時間を無駄にしたと思うことは決して無いはずです

そして、最近はシェイクスピアのほとんどの書籍がAmazonのKindle(電子書籍)で読めるようになりました。

この機会に、まだ読んでいない作品がある方は一読してみてはいかがでしょうか?

今回は、シェイクスピアのおすすめ名作と、おすすめの解説書・批評を紹介していきます。


喜劇

ヴェニスの商人

ヴェニスの商人 (新潮文庫)

ヴェニスの商人 (新潮文庫)

胸の肉一ポンドを担保に、高利貸しシャイロックから友人のための借金をしたアントニオ。美しい水の都にくりひろげられる名作喜劇。

シェイクスピアの作品の中では「喜劇」にあたり、最も有名なものの一つかもしれません。

スリリングな展開は、純粋に物語として読んでもたいへん面白いです。

商取引と恋愛、友情と取り決めと、人間の様々な生き方が交錯し、「人肉裁判」と言った物語のクライマックスへと進んでいきます。

起承転結がありながら、いかようにも深く読み込めるほど完成度が高く、シェイクスピアの戯曲の中でも白眉と言っていい出来です。

十二夜

新訳 十二夜 (角川文庫)

新訳 十二夜 (角川文庫)

伯爵家の女主人オリヴィアを熱愛するオーシーノ公爵。だが兄を亡くした哀しみに暮れるオリヴィアはけんもほろろ。その頃難破船から救われ、女であることを隠して公爵に仕え始めたヴァイオラは、優しい公爵に恋心を抱く。さらに、そんなことはつゆ知らぬ公爵が恋の使者として遣わしたヴァイオラに、なんとオリヴィアが一目惚れ…!?もつれにもつれた恋の糸。ロマンスと笑いと風刺が絡みあう、シェイクスピア喜劇の頂点。

シェイクスピア最後の喜劇とも言われています。

様々な主題と楽しさが込められた、ミュージカル映えするような戯曲です。

現在テレビで放送されるようなコメディを、400年以上前に先取りしていると言ってもいいかもしれません。

誰が読んでも面白い内容で、しかも翻訳がすばらしいです!


夏の夜の夢・あらし

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

妖精のいたずらに迷わされる恋人たちが月夜の森にくりひろげる幻想喜劇「夏の夜の夢」、調和と和解の世界を描く最後の傑作「あらし」。

リアリズムではなく、ファンタジーテイストの喜劇2編が納められています。

「夏の夜の夢」は、「真夏の夜の夢」と訳されることもあり、舞台は古代ギリシャの時代、アテネ近郊の森に住む妖精たちが登場します。

「あらし」は、原文ママの「テンペスト」となっている翻訳もあります。復習のために、魔法によって産み出された嵐が船を襲う話ですが、内容自体は悲劇的ではありません。


じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ

じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ (新潮文庫)

じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ (新潮文庫)

パデュアの街に展開される楽しい恋のかけひき「じゃじゃ馬ならし」。知事の娘の婚礼前夜に起った大騒動「空騒ぎ」。機知舌戦の二喜劇。

恋愛に関する喜劇が2編収録されています。陽気で楽しい雰囲気の作品です。

どちらもなかなか凝った設定になっていて、さすがシェイクスピアと思わせられますね。

「空騒ぎ」は、「ツンデレ」が出て来るお話なので、そういう属性が好きな人にもおすすめです。


お気に召すまま

お気に召すまま (新潮文庫)

お気に召すまま (新潮文庫)

弟に領地を奪われた公爵は、アーデンの森に移り住んでいる。公爵の娘ロザリンドは、叔父の娘シーリアと大の仲良しのため邸内にとどまっていたが、ついに追放される。男装したロザリンドは、シーリアとともに森に向ったが、一方、公爵の功臣の遺子オーランドーも、兄の迫害を逃れて森にやって来る…。幾組もの恋人たちが織りなすさまざまな恋を、明るい牧歌的雰囲気の中に描く。

シェイクスピアが描く恋愛どたばた劇です。

シェイクスピア作品は過激なストーリーが多めな中、本作は比較的心穏やかに読むことができます。

男装女子といった萌え要素もありますね(笑)

挿入歌が多く、実際にお芝居として演じられているところを見たくなる作品です。


悲劇

ハムレット

ハムレット (新潮文庫)

ハムレット (新潮文庫)

城に現われた父王の亡霊から、その死因が叔父の計略によるものであるという事実を告げられたデンマークの王子ハムレットは、固い復讐を誓う。道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる――。恋人の変貌に狂死する美しいオフィーリアとの悲恋を織りこみ、数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作である。

シェイクスピア「四代悲劇」の一つです。

とても有名な作品でありながら、物語をしっかりと読んだことのある方は少ないのではないでしょうか?

インパクトのあるセリフの応酬でありながら、そこにはドス黒い人間の負の感情が綿密に描きこまれています。

「これこそが悲劇!」と思わせてくれるような、凄みのある作品です。

過激でありながら奥深い……劇作でありながらもこのような物語を綴れる手腕に脱帽するしかありません。


マクベス

マクベス (新潮文庫)

マクベス (新潮文庫)

かねてから、心の底では王位を望んでいたスコットランドの武将マクベスは、荒野で出会った三人の魔女の奇怪な予言と激しく意志的な夫人の教唆により野心を実行に移していく。王ダンカンを自分の城で暗殺し王位を奪ったマクベスは、その王位を失うことへの不安から次々と血に染まった手で罪を重ねていく……。シェイクスピア四大悲劇中でも最も密度の高い凝集力をもつ作品である。

「四代悲劇」の中でも最も短い作品であり、最後に書かれたものです。しかし、最高傑作と評する人も多いほど、とてつもない密度があります。

「きれいは汚い、汚いはきれい(原文:fair is foul、and foul is fair.)」という魔女の暗示的なセリフから物語が始まり、シェイクスピア作品の中でもファンタジックな色合いが濃厚です。

トールキンの『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』も、明らかにマクベスの影響を受けているであろうところがけっこう見当たります。


リア王

リア王 (新潮文庫)

リア王 (新潮文庫)

老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固め、三人のうちでもっとも孝心のあついものに最大の恩恵を与えることにした。二人の姉は巧みな甘言で父王を喜ばせるが、末娘コーディーリアの真実率直な言葉にリアは激怒し、コーディーリアを勘当の身として二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王リアの悲劇はこのとき始まった。四大悲劇のうちの一つ。

人間の醜い本能を、これでもかと言ったくらいに描ききった「四代悲劇」の一つです。

「悲劇」らしく、なかなか重々しい話です。人間とは愚かなものですね。

黒澤明監督がフランスと合作で撮った「乱」という傑作映画は、この『リア王』を下敷きにしているので、物語には馴染みのある方が多いのかもしれません。


オセロー

オセロー (新潮文庫)

オセロー (新潮文庫)

ムーア人の勇敢な将軍オセローは、サイプラス島の行政を任され、同島に赴く。副官に任命されなかったことを不満とする旗手イアーゴーは、策謀を巡らせて副官を失脚させた上、オセローの妻デズデモーナの不義をでっちあげる。嫉妬のあまり、妻を自らの手で扼殺したオセローは、すべてが、イアーゴーの奸計であったと悟り自殺する。シェイクスピアの後期の傑作で、四大悲劇の一つ。

不貞や裏切りが扱われていて、シェイクスピア「四代悲劇」の中では平易でわかりやすい内容なほうだと思います。

日本発のボードゲームである「オセロ」は、この作品からとられています。

敵味方が目まぐるしく入れ替わるストーリーなので、白と黒を頻繁に裏返すゲームに、「オセロ」という名前が付けられたのです。


ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

政治の理想に忠実であろうと、ローマの君主シーザーを刺したブルータス。それを弾劾するアントニーの演説は、ローマを動揺させた。

史実を元にした戯曲です。古代ローマ帝国が舞台で、題名と違って主人公はブルータス。

欧米では教科書になっているくらいメジャーな作品だそうです。

裏切られたシーザーの「ブルータス、お前もか」というセリフはあまりにも有名ですね。


ロミオとジュリエット

新訳 ロミオとジュリエット (角川文庫)

新訳 ロミオとジュリエット (角川文庫)

モンタギュー家の一人息子ロミオはある夜仇敵キャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込み、一人の娘と劇的な恋に落ちるのだが、……逃れようのない悲劇へと加速する二人の運命を描く、不朽の名作。

日本で最も知名度が高いシェイクスピア作品は本作かもしれません。

社会に背いて恋を成就させようとする若い男女の物語です。

恋愛悲劇ではありますが、喜劇チックなテイストもままあります。

実際に文章で読んでみると、意外と猥雑な言葉が多く使われていることに驚くかもしれません。

読むのであれば、角川文庫から出版されている新訳の、川合祥一郎訳のものがいいですね。


史劇

リチャード三世

リチャード三世 (新潮文庫)

リチャード三世 (新潮文庫)

身体に障害を負った野心家グロスター公リチャードは、兄のエドワード四世王が病に倒れると、王劇を狙い、その明晰な知能と冷徹な論理で、次つぎに残忍な陰謀をくわだて、ついに王位につく―。魔性の君主リチャードを中心に、薔薇戦争へといたるヨーク家の内紛をたどり、口を開いた人間性のおそろしい深淵に、劇詩人シェイクスピアが、真っ向からいどんだ傑作史劇である。

舞台は、ランカスター家とヨーク家の30年にもあたる薔薇戦争の最中のイングランド。

シェイクスピアの「史劇」にあたる作品で、さながらノンフィクションのような性格も持ちます。

セリフにもたらされる修飾の過剰さ、過激さが目立ちますが、シェイクスピアの言葉の凄みと同時に、人間の恐ろしさというものが真に迫ります。


解説書

河合祥一郎『あらすじで読むシェイクスピア全作品』

あらすじで読むシェイクスピア全作品(祥伝社新書)

あらすじで読むシェイクスピア全作品(祥伝社新書)

「『マクベス』って、結局どんな話?」日本人は意外と知らない。しかし欧米人は、誰もが知っている。究極の教養──それが、シェイクスピア! これ一冊で、シェイクスピアの作品世界が見渡せる。戯曲40作品すべて、さらに詩作品について、「あらすじ」「名セリフ」「作品のポイント」「登場人物関係図」をわかりやすく掲載。

これ、超おすすめの本です!

イギリスの大学で博士号を取り英文学を本格的に研究して、シェイクスピアの和訳も数多く出版している著者の解説本です。

シェイクスピアは知っておきたいけど、読む時間が無いという方は、『ヴェニスの商人』や『マクベス』など気になったものを数冊読んでから、あとはこれを読むといいと思います(笑)

作品ごとに、登場人物や舞台の背景がしっかり説明され、重要な箇所は英語の原文も載っているので、本当に教養になる一冊です。

先にこれを読んでおくことで、あたらしく読むシェイクスピアをより深く味わえるという使い方もできます。


阿刀田高『シェイクスピアを楽しむために』

シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)

シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)

【シェイクスピア】1564~1616(ひとごろしイロイロと覚えます。謀略・発狂・嫉妬・情死、作品の登場人物は、考えられる限り様々な理由でこの世を去ります)。誕生日と命日は同じ4月23日。欧米の大衆娯楽演劇の原点、ハリウッドで最も売れている脚本家、世界で一番有名な作家です。名前は知っているけど、作品も大体見当がつくけど……、という方のための〈アトーダ式〉解説本。

これも素晴らしいシェイクスピアのガイド本です。

いきなり原文を読む気にならない人は、本書を見てみれば、絶対に読んでみたくなるはずです。

軽快な語り口で飽きさせません。


岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

〈資本主義〉のシステムやその根底にある〈貨幣〉の逆説とはなにか。その怪物めいた謎をめぐって、シェイクスピアの喜劇を舞台に、登場人物の演ずる役廻りを読み解く表題作「ヴェニスの商人の資本論」。そのほか、「パンダの親指と経済人類学」など明晰な論理と軽妙な洒脱さで展開する気鋭の経済学者による貨幣や言葉の逆説についての諸考察。

経済に関する評論集で、シェイクスピアに関係するのは表題になっている一編だけですが、それだけでも本書を買う価値があると思っています。

私は「ヴェニスの商人の資本論」を読んで読書体験でもベスト5に入るくらいの衝撃を受けました。

経済(資本主義)をここまで本質的に捉えられるものなのか、そしてシェイクスピアはここまで深く読み込めるものなのか……と。

ぜひ一読をおすすめします!



以上になります。

なかなか手を出せない古典文学ですが、シェイクスピアは有名なわりに短くてすぐ読めるのでおすすめですよ!

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